ギュスターヴ・カイユボット

1848~1894/フランス/印象派

印象主義時代を語る上で欠かせない同派の画家

観る者に現代性を強く喚起させる独特の自然主義的作品を制作。カイユボットは収集家としての知名度の方が高かったものの、近年(1960~70年代)の再評価によって画家として正当な扱いを受けるようになった。また「ブルジョワ的」とも呼ばれた古典的な表現手法とその印象も特筆すべき点である。画題としては労働、家族、生活など近代的な都市生活的画題の作品が傑出しているが、後年に手がけた風景画なども高い評価を受けている。ブルジョワ階級出身で生涯裕福であったカイユボットは収集家としても良く知られており、クロード・モネルノワールカミーユ・ピサロ・ポール・セザンヌなどの作品を購入することによって、経済的に彼らを支えたほか、印象派展の開催などでも意見調整や経済支援などをおこなった。カイユボットの死後、遺言書により画家が所有していたモネルノワールピサロ、セザンヌなど印象派の画家らの作品はオルセー美術館へと移管され、同美術館の重要なコレクションとして収蔵されている。